10-5. cDNAクローンの選択
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1) 結合性に基づく発現クローニング
細胞を使った、あるタンパク質に結合する未知タンパク質のクローンを検出するための方法で、レポーターアッセイを利用する 合成したcDNAを転写活性化領域かDNA結合領域のcDNAと融合させる形でベクターに組込み、酵母に導入し、酵母で働くマーカーや増殖性でクローンを選択する パニング(panning)とは、金鉱山で泥水の仲の金の粒を比重によって土砂と分離して金を濃縮するという行為に充てられる用語 この方法ができるためには、クローン由来タンパク質が細胞表面に発現することが前提となる
R結合性タンパク質のcDNAを選択する場合、Rをあらかじめ付着させた容器にライブラリー由来タンパク質が発現している細胞集団を入れ、洗浄後に容器に付いた細胞を集め、細胞からベクターを回収する 操作を繰り返すことにより目的クローンを濃縮できる
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2) 機能性クローニング
例えば細胞死滅因子のcDNAを検索する場合、ライブラリーを分割し、各分割集団(プール)を細胞にトランスフェクションし、細胞死を高めるプールを決める 細胞を培養している培養液を他の細胞に与えてもよいし、抗体がある場合は抗体で検出してもよい
陽性プールを導入した細胞からDNAをベクターごと回収し、大腸菌で増やした後でさらに分割したプールをつくり、同じ解析を繰り返す
このような作業を何回か行うことにより、単一クローンが単離できる https://gyazo.com/18afdbe0712f07e54ea2a855ad9217a6
ただし、この選択法を使うためには、以下の条件が必要
単一クローン(タンパク質)で機能が発揮される
ベクターからの発現が十分な量ある
目的遺伝子機能を検定できる適当な細胞や個体がある
Column 南西クローニング?
その遺伝子クローニングの大部分は、1980年代の半ばからの約10年間の間に実施された
精製タンパク質が大量にあればアミノ酸配列を決めてDNAプローブをつくることもでき、また抗体をつくることもできたであろうが、すべてがうまくいくわけでもなく、また現在のように超微量タンパク質からアミノ酸配列を決める技術もまだなかった時代 サウス=DNA、ウエスタン=タンパク質
次に、そこにタンパク質結合配列をもつ標識DNAをプローブとして当てる
ファージがタンパク質のDNA結合領域を発言してさえいれば、結合場所がスポットとしてX線フィルム上に浮かび上がってくるというしくみ